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栄養価や効用伝える方法は 農業共済新聞2012年2月8日

  • 果物は、美味しさで精神的に、その栄養で身体的に、我々に恩恵を与えてくれる。
基本的に、私共、果物専門店は、「美味しさ」を第一にお客様に提案する。
食べ方や保存方法などの扱い方はもちろん、どんな環境で、どのように栽培され、どうして美味しいかなどだ。

    



    人工的に完璧に味をコントロールされたスウィーツと、購入目的の上で競合した場合は、
季節感、ナチュラル指向で身体に優しいことを訴求しなければならない。
近年、健康への欲求は、ある意味、食欲という肉体的欲求よりも根深い。
精神性ゆえに、より食い込んだ信心にも近い思いがあるのだ。
情報発信元とに説得力があれば、受け手に信心は形作られるのである。



    健康食品に付いてまわるうさんくささは、意図的にその信心を操作された売買契約によるものが多いようだ。
このようないかがわしい情報を規制し、商品説明の公平性、明確性を確保するために、
表現方法に関する法律が存在するのであるが、青果物を扱う者には厄介でもある。
悪意をもった積極的な表現者を禁止することと、無防備の善意者が同様に扱われる。

    



    果物の栄養価と効用を直接表現する方法を、青果物を取り扱う者は持てないでいる。
果物の持つマーケットが、
サプリメントなど栄養補助食品や特別健康用食品という「効きそうな」名称に奪われるばかりでなく、
自然の恵みとして天から与えられた食べ物が、身体にいかに有用であるかの表現を素直にできないのは残念である。

    



    最近の果物の品種改良は、かつての病虫害に強い、収量が多い、着色よく大玉…という生産者目線の傾向から、
消費者の指向に合わせて、味の良さ、食べ易さの上に、栄養価の高さも改良目的となり、その成果も出てきている。かつての品種からも健康にとって有用性のある栄養価が見いだされ、効用が実証されてもいる。
しかしながら、販売現場では、それをそのまま反映できない。
果物の多面的価値、身体が求めているから「美味しい」と感じる根拠など、
科学的に、しかも素直にお客様に表現できる方法が認められることを望みたい。